現在、循環器領域には50以上の診療ガイドラインが存在しますが、多様な臨床像を呈する個々の患者に対する最適な治療戦略の確立は容易ではありません。個別化医療の実現を目指すためには、疾患の病態やフェノタイプの正確な評価と、それに基づく治療戦略の構築、治療効果の継続的なモニタリングが不可欠です。当グループでは、リアルワールドデータに基づく臨床的視点(臨床データ解析)、蛋白質や核酸の挙動にフォーカスした探索的視点(オミクス解析)、それらを理論的に裏付ける基礎研究からの視点を融合させ、病態メカニズムを網羅的かつ階層的に解明することにより、新たな疾患フェノタイピングの抽出、新規バイオマーカーや治療標的・治療戦略の創出、有益な病態モニタリング法の開発を目指します。得られた知見を再び臨床現場で検証し還元することで、個別化医療を実現することが最終目標です。