京都大学医学部附属病院 循環器内科

臨床不整脈グループ

当グループの概要

本邦では高齢化に伴い心房細動の患者数は年々増加傾向にあります。心房細動は放置すれば脳梗塞、心不全、弁膜症を引き起こし、生活の質(QOL)を大きく毀損するため、その予防、治療は現代社会の大きな課題となっています。また、発作性上室頻拍、心室頻拍、心室細動などにおいても、近年新しい疾患概念、治療方法が続々と報告されており、進歩し続けている分野です。

当グループでは、臨床で不整脈診療に従事しながら、同領域においてのエビデンスの構築を目指すべく日々研究に励んでいます。

ご興味のある方はいつでもご連絡ください。

責任者:静田聡
連絡先:shizuta(at)kuhp.kyoto-u.ac.jp

活動内容

臨床では、心房細動や心室頻拍などの難治性不整脈に対する最先端のマッピングシステム(CARTO、EnSite、Rhythmia)を用いたカテーテルアブレーション治療、徐脈性不整脈に対するペースメーカなどの心臓デバイス治療、重症心不全に対する心臓再同期療法などに取り組んでいます。 研究では、症例データベースを用いた探索的研究を主に行っています。また、学会発表や症例報告も積極的に行っています。

近年の研究成果

①房室結節リエントリー性頻拍におけるBystander Nodeventricular/Nodefascicular pathwayの頻度と特徴

発作性上室頻拍の70%を占める房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)にNodoventricular/Nodofascicular (NV/NF) pathwayを合併すると、頻拍中の心室期外刺激(VES)と心室オーバードライブ刺激(VOP)において、頻拍周期が延長してリセットされるという現象が起きます。今回の論文は、その頻度について初めて連続症例で検討し、3.0%という結果を報告しました。

②嚥下性失神に対するCardioneuroablationによる治療

食事中に房室ブロックを来す嚥下性失神に対して房室結節に関連する自立神経叢を選択的に焼灼することで治療出来た症例を報告しました。

③心房性三尖弁閉鎖不全症に対する心房細動アブレーションの影響

心房細動に合併した心房性三尖弁閉鎖不全症が心房細動アブレーションで減少し、さらにそれは右心系のリバースリモデリングと関連することを報告しました。

当グループが主導・参加中の臨床研究

  • KPAF Registry
  • BREAK-AF Registry
  • 頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションの短期・長期成績に関する研究
  • TRANQUILIZE-AF Registry
  • J-ABレジストリ
  • J-LEXレジストリ
  • Micra Acute Performance AV Japan Registry
  • POLAR SMART研究
  • BIO|ATP研究

その他、多施設共同研究や企業から受託研究などにも多数参加しています。

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